ごあいさつ
 
 「HBMの部屋」へようこそ


 このホームページは、私の提唱するHBM (Human-Based Medicine:「人間の人間に拠る人間のための医療」)の概念を紹介し、皆さんに、よりよきがん医療のあり方について考えていただくために開設しました。試行期間を経て、2003年1月に今のアドレスでリニューアルオープンしました。
 がん医療に関して私が書いたものを中心に掲載していますが、直接医療とは関係のないものも含まれます。学生時代から現在まで、様々な場面で書いた文章であり、考えの変遷もみられますが、「医療は人間の幸福のためにある」という信念は貫いているつもりです。
 がんというのは、人によっては、闘うべき敵であり、人生にのしかかる不条理であり、人間存在を内部から揺さぶる病気であり、忌み嫌われるタブーであり、 共存する相手であり、、というように、様々な受け止められ方をされています。そんな現象と、どのように向き合い、何を目指せばよいのか、医療者として、人間として、思索する毎日です。けっして答えの出る問題ではありませんが、がんと向き合っている患者さんをはじめ、多くの方々と語り合いながら、一生をかけて考え続けていくつもりです。
 HBMは、医者になって間もない私が、若いなりに考えた決意表明です。未熟さを承知で、あえて皆さんに訴えかけています。今も、がんに苦しみ、治療に苦しみ、イメージに苦しむ患者さんがたくさんおられます。そんな患者さんの苦しみを和らげ、「安心」「希望」「幸福」をもたらせるように、今できることから取り組んでいかなければなりません。皆さんからもご意見、アドバイスなどお寄せいただければ幸いです。
                         2003年1月 高野利実



上記の挨拶文を書いてから7年以上が経過しました。忙しさにかまけて、このサイトはほとんど更新もしないままになっていました。にもかかわらず、訪れてくださった皆様に心より感謝いたします。
この間に、世の中にも、私自身にも、いろんなことがありました。病院いくつか変わりました。「腫瘍内科」「臨床腫瘍科」を3つの病院で立ち上げました。2010年4月には、虎の門病院臨床腫瘍科に赴任し、「日本の真ん中に日本一の腫瘍内科を」というスローガンを掲げて、仲間たちと日々奮闘しているところです。
ここ数年の間、「医療崩壊」という言葉が広まり、患者さんと医療者の間の壁を感じて、私自身の心が崩壊しかかった時期もありましたが、そんなときに、パッチ・アダムスや、このサイトにある過去の自分の言葉や、そして何より、数多くの患者さんたちに励まされながら、なんとかやってくることができました。
これからも、HBMという初心を忘れずに、日本のがん医療のために尽くしたいと思っています。引き続きよろしくお願い申し上げます。
                      2010年5月  高野利実

私にとって、初めての単著となる本、「がんとともに、自分らしく生きる―希望をもって、がんと向き合う『HBM』のすすめ―」が発売されたのを機に、少しだけ更新してみました。
                      2016年3月  高野利実

自己紹介