ハーセプチン治療

術後補助療法としてのハーセプチン 〜大規模な臨床試験が進行中〜
 現在、ハーセプチンは、HER2陽性の転移性乳癌のみが対象となっており、転移をきたしていない早期乳癌の手術後の治療(術後補助療法)については適応となっていない。しかし、転移性乳癌に対する効果を考えると、術後補助療法での使用による再発抑制効果も大いに期待されるところである。現在、世界で3つの大規模な臨床試験が進行中であり、その結果が待たれる。
HERA (HER2 Adjuvant) Trial
手術、術後補助化学療法を受けたあとでHER2などで層別化し、以下の3群に振り分けている。
  (1) ハーセプチン治療を行わない群
  (2) 3週ごとハーセプチン投与を1年間行う群
  (3) 3週ごとハーセプチン投与を2年間行う群
NCCTG9831 (intergroup Trial )
リンパ節転移陽性のHER2陽性乳癌患者を以下の3群に振り分けている。
  (1) AC療法(4サイクル)ののちに、paclitaxel3週ごと4回投与+ハーセプチン毎週12回投与を行う群
  (2) AC療法ののちにpaclitaxel+ハーセプチンを毎週12回投与を行う群
  (3) AC療法ののちにpaclitaxel+ハーセプチンを毎週12回投与を行い、さらにハーセプチン単独毎週投与を40回加える群
BCIRG
HER2陽性患者2400人について、以下の3群に振り分ける予定である。
  (1) AC療法ののちにdocetaxel + ハーセプチン治療を行う群
  (2) ACT(AC+docetaxel)療法を行う群
  (3) Docetaxel + Carboplatin + ハーセプチン同時併用療法を行う群
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