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これまで、転移性乳癌で生存期間延長効果を示した治療は存在せず、画期的な結果といえる。 |
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抗癌剤治療がbest supportive care(無治療)よりすぐれているかどうかもわかっていない。 |
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この報告のあとには、capecitabine+タキソテール併用がタキソテール単剤と比較して生存期間を延長されるという報告がなされている。 |
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この臨床試験では、化学療法のみの群に割り付けられた患者のうち67%が、試験プロトコールに従い、進行がみられたのちにハーセプチン治療を受けており、化学療法→ハーセプチンの逐次併用よりも化学療法+ハーセプチン同時併用の方がすぐれているということも示している。 |
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この臨床試験の参加基準は、IHC法でHER2(2+)または(3+)と判定された場合となっているが、(3+)に限ったサブグループ解析でより明確な効果がみられている(HER2(3+)に限れば、生存期間の中央値は、化学療法のみで20ヶ月、ハーセプチン併用で29ヶ月と、45%の延長がみられる)。 |
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IHC法ではなくFISH法を用いた場合、IHC法によるHER2(3+)の89%、(2+)の31%で「陽性」と判定される。FISH法による「陽性」の場合、ハーセプチン併用の効果は明白であるが、「陰性」の場合には、ハーセプチンを併用しても効果がみられない。 |
(第11回ヨーロッパがん会議(ECCO11) poster970 Fluorescence in situ hybridization (FISH) may accurately identify patients who obtain survival benefit from herceptin plus chemotherapy「FISH法は、ハーセプチン+化学療法による生存期間延長効果を得られる患者を正確に特定しうる。」によると、FISH法による陽性のサブグループでは、化学療法単独群の奏効率30.8%に対し、ハーセプチン併用群の奏効率54.0%(P<0.0001)とハーセプチン併用による改善がみられた。一方、陰性のサブグループでは、化学療法単独群の奏効率37.5%に対し、ハーセプチン併用群の奏効率38.0%(P=NS)と有意差がみられなかった。生存のオッズ比は、陽性で0.71(95%CI: 0.54-0.92)、陰性で1.11(95%CI: 0.70-1.80)であった。生存期間の中央値は、陽性で20.0ヶ月→26.2ヶ月と改善しているが、陰性では有意な改善はみられなかった。) |
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この臨床試験では、年齢制限が設けられていないが、61歳以上109人と60歳以下360人でサブグループ解析を行ったところ、60歳以下の奏効率は、化学療法単独32.8%に対しハーセプチン併用52.2%、61歳以上の奏効率は、化学療法単独27.8%に対しハーセプチン併用43.6%と、年齢にかかわらず、有意な改善がみられた。死亡の相対リスクは、60歳以下で0.85 (95%CI: 0.66-1.09)、61歳以上で0.64 (95%CI: 0.41-0.99)であり、61歳以上に限って有意な改善がみられた。 |
(第11回ヨーロッパがん会議(ECCO11) poster692 Older (age>60years) survival benefit from Herceptin plus chemotherapy「高齢者(61歳以上)における、ハーセプチン+化学療法による生存期間延長効果」) |
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化学療法+ハーセプチン併用群では、化学療法単独群と比較して、より健康関連QOLが高い傾向がある。 |
(第11回ヨーロッパがん会議(ECCO11) poster691 Health-related quality of life (HRQL) in women with HER2-positive metastatic breast cancer: effect of treatment with trastuzumab (Herceptin) plus chemotherapy versus chemotherapy alone「HER2陽性転移性乳癌患者の健康関連QOL(HRQL):化学療法単独と比較したハーセプチン+化学療法による治療効果」) |